2024年3月30日にHTML5プロフェッショナル認定試験レベル2に合格しました。純度100%のJavaScriptの試験であり、レベル1より難易度もグッと上がってる試験です。
この記事ではHTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 ver2.5の試験内容と合格するための勉強法を紹介します。これから試験を受験しようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
HTML5プロフェッショナル認定試験とは
公式サイトによるとHTML5プロフェッショナル認定試験とは次のように書かれています。
HTML5プロフェッショナル認定とは、HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を、公平かつ厳正に、中立的な立場で認定する認定制度です。
マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力を測るレベル1と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力を認定するレベル2で構成されています。
ようするに基礎的な実力を測る「レベル1」と、応用的な実力を測る「レベル2」の試験から構成されているということです。
ちなみに現在、HTMLの最新バージョンはHTML5ではなく、HTML Living Standardとなっています。HTML5はバージョン5.2で廃止されました。
この点についても公式サイトではもちろん認識しており、以下のようなアナウンスが公開されています。
HTML5はHTML Standardへ呼称変更
~ HTML5プロフェッショナル認定試験は今後も有効 ~https://html5exam.jp/measures/column_01.html
少しこじつけのような言い分ですが、今後も資格としての価値は変わらなそうですね。
レベル1とレベル2の違い
HTML5プロフェッショナル認定試験にはレベル1とレベル2の2つがあります。この2つは出題範囲が異なっています。
このグラフは公式サイトから引用したものです。レベル2の方が全体的な難易度が高いことがわかります。それぞれの項目の内訳は以下の通りになっています。
HTML/HTML5マークアップ | HTML5に関するタグの用途、構造の組み立て方に関する技術 |
グラフィックス | JavaScriptやCSSなどを用いて、動的にグラフィックスを生成したりアニメーションを実現したりする技術 |
レスポンシブWebデザイン | 一つのソースで、スマートフォンなどの様々なデバイスの画面サイズに対応させるための技術 |
通信・デバイスアクセス系API | JavaScriptからクラウドと通信をして情報の送受信を行ったり、センサーなどのデバイスにアクセスしたりする技術 |
JavaScriptプログラミング | JavaScriptを使って、動的なWebコンテンツを作成する技術 |
マルチメディア | 3D・動画・音声ファイルなどのマルチメディアコンテンツの表示・再生に関する技術 |
ユーザビリティ | JavaScriptやCSSなどを用いて、デザイン仕様に沿った見やすい表示や操作しやすいコンテンツを作成するための技術 |
パフォーマンス | ストレージや並列処理を使ってコンテンツを効率よく高速に動作させたり、オフラインでも動作する仕組みを作るための技術 |
レベル1ではJavaScriptの出題はありませんが、JavaScriptで使われるAPIの出題がありまます。詳しい出題範囲は公式サイトをご確認ください。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 出題範囲
https://html5exam.jp/outline/objectives_lv1.html
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 出題範囲
https://html5exam.jp/outline/objectives_lv2.html
【注意点】レベル1の前にレベル2を受験しても大丈夫
公式サイトのQ&Aに次のような項目があります。
はい、レベル2試験を先に受験しても問題ありません。受験する順番はどの試験から受験しても良いですが、レベル2試験のみに合格してもレベル2には認定されません。レベル2試験の合格後にレベル1試験を受験して合格した時点で、レベル1とレベル2の両方に認定されます。
このようにレベル1の前にレベル2を受験することも可能です。しかしレベル2の認定されるためには、レベル1とレベル2の両方の試験に合格しておかなければなりません。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2のまとめ
まとめるとこんな感じです。
試験正式名 | HTML5プロフェッショナル 認定試験 レベル2 |
所要時間 | 90分 |
試験問題数 | 約40~45問 |
受験料 | 16,500円(税込み) |
試験実施方式 | CBT(パソコンを使って解答するやつ) |
試験会場 | 全国の試験センター or 自宅でのオンライン試験 |
認定の有効期間 | 5年間 |
勉強期間目安 | 半年月~1年程度 |
合格点 | 約7割(私の時は70点でした) |
自分の試験結果を公開
今回私が受験した試験の結果は以下の通りでした。
総合得点70点で合格!
ぎっりぎりでした・・・
マルチメディアの問題については0点でしたね。最後の見直しのときに訂正した結果が間違ってしまっていたようです。それにしても後1問ミスで不合格だったとは・・・
試験翌日に公式サイトから認定証がダウンロードできるようになっていました。合格日と認定の有効期限の日付が記載されています。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2の勉強法
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2の私の勉強法を紹介します。
おすすめの参考書
私が購入した参考書は『HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 対策テキスト&問題集 Ver.2.5対応版』というやつです。
これはゴリゴリ問題を解く本ではなく、文法や知識の解説もしっかりとあるやつです。それぞれの章の末尾に確認テストの形で問題が載っているタイプですね。
試験対策書というよりも、試験範囲のJavaScriptの仕様を解説した技術書といった感じです。分量も多く読破するには時間がかかります。もちろんサンプルコードもふんだんに掲載されているので、手を動かしながら学習できます。
正直なところ、後述する問題集を繰り返して問題と解答を覚えるより、この本でJavaScriptの機能や関数、APIをしっかりと身に付けた方が良い気がいます。本番の試験で70点しかとれなかった私の感想です。
問題もガッツリ解きたいというのであれば、現状は以下の本しか選択肢がありません。
こちらは問題演習が主体です。本試験にできる限り近づけた出題となっており、重要度が三段階に分類されているので、押さえておくべき問題も一目でわかります。この本は2回分の模擬試験がついています。
試験はVer2.5でもVer2.0の問題集で大丈夫
2024年現在、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2はVer2.5が実施されています。そのため、Ver2.0の問題集で勉強することに抵抗があるかもしれません。
結論から言うと全く問題ありません。
公式サイトにてVer2.0とVer2.5の比較表が公開されています。
★バージョン2.0とバージョン2.5の差分説明https://html5exam.jp/images/outline/html5_ver25.pdf
この資料によると、Ver2.0とVer2.5の違いは以下の通りです。
■レベル2の改定のポイント
★ES6(ECMAScript2015)以降の新機能 の追加をしました。
・ローカル変数と定数
・アロー関数
・Promise と非同期関数
・可変長引数/残余引数
・クラス
・テンプレートリテラル (テンプレート文字列)
ようするに、Ver2.5ではVer2.0にES6の部分が追加されただけです。それ以外の試験範囲については、Ver2.0の問題集でカバーできるので問題ありません。
なお、Ver2.5に対応した問題が解きたいのであれば、次の通信教育がおすすめです。
おすすめの通信教育
参考書だけでは不安だったので『PolariStation』の通信教育を利用しました。
これはブラウザ上で動作する問題集です。「JavaScript」「JavaScript(ES6)」「WebブラウザにおけるJavaScript API」「グラフィックス・アニメーション」「メルチメディア」「ストレージ」「通信」「デバイスアクセス」「パフォーマンスとオフライン」「セキュリティモデル」の分野に分かれて出題されています。
それらに加えて2回分の模擬試験もあります。
有料ですが料金も良心的です。
プラン名 | 料金(税込) |
---|---|
5日間解き放題プラン | 1,280円 |
10日間解き放題プラン | 1,980円 |
30日間解き放題プラン | 2,980円 |
60日間解き放題プラン | 3,980円 |
スマートフォンでの操作性も抜群でサクサク解答していくことができます。ただ本番の試験と比べて、ちょっと難易度が低いようにも感じました。ちなみに2024年3月時点で総問題数はサンプル問題を含めて325問です。これだけあれば試験範囲は十分にカバーできます。
公式サイトのサンプル問題
HTML5プロフェッショナル認定試験の公式サイトのサンプル問題も必ずチェックしておきましょう。
サンプル問題/例題解説
https://html5exam.jp/measures/sample.html
サンプル問題という形式ですが、本試験の難易度はここのサンプル問題が一番近い気がします。出題数も豊富で無料で活用できるため、本試験前に必ずマスターしておくことをおすすめします。
勉強期間は2週間ほどでした
勉強法は、まず『対策テキスト&問題集』を通読して、基本的な知識をインプット。これを3回くらい繰り返したら、『PolariStation』で問題演習を繰り返します。ブックマーク機能などを活用して、苦手な問題に集中して取り組むと良いでしょう。並行して『スピードマスター問題集』も進めていきます。
仕上げとして、
・「対策テキスト&問題集」の模擬試験1回分
・「スピードマスター問題集」の模擬試験2回分
・「PolariStation」の模擬試験2回分
を完璧にします。
さきほど紹介しましたが、公式のサンプル問題もマストです。ともかく手に入る問題集的なものはすべて完璧にしておくのが無難です。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2試験で注意すべきポイント
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2試験で受験時に注意すべきポイントを解説します。
問題文の指示をしっかりと読む
当たり前のことなんですが、問題文の指示をしっかりと読むことが大切です。というのは、
・当てはまるものを3つ選びなさい
・当てはまるものを全て選びなさい
・間違っているものを選びなさい
など解答のスタイルが問題によってさまざまだからです。
特に「全て選ぶ」タイプの出題では、2個でも3個でも全部でも選択することもできます。すべての選択肢を検討しなければならないため、特に正確な知識が要求されるので要注意です。
消去法を活用する
HTML5プロフェッショナル認定試験は選択式で解答します。選択肢の中には見たことがない言葉があるかもしれませんが、できるだけ消去法を使って解答の候補を絞りこんでいきましょう。
必ず見直しをする
約40問の問題を解いたら必ず見直しをしましょう。試験問題のプログラムには「後で見直す」ボタンがあるので、そういった機能をフル活用しましょう。
ただ、私のように見直して修正した結果が間違いということもあるので注意しましょう。マークシート式の試験のあるあるですね。
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2のよくある質問と回答
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1のよくある質問と回答をまとめました。
【質問1】どの程度仕上げたら合格できますか?
レベル2の試験は出題数が40~45問と少ないため、1問のミスが大きく結果を左右します。
私はレベル1の時と同様に、問題演習を繰り返して、正答率が90%を超えたあたりで受験しましたが、結果はギリギリの70点。
正直なところ、レベル2は試験範囲が広いので、「問題を繰り返して正答率を上げる」では不十分だと思いました。
まずは試験範囲に含まれている、JavaScriptの関数や機能、APIなどを実際にコードを書いて動作を確認する、という作業を地道にやった方が良いと思います(私はやらなかった)
試験では、関数の引数やオブジェクトのプロパティやメソッドを正確に覚えていないと解けない問題もあります。
なんとく問題演習を繰り返すのではなく、正しい知識を身に付けるという姿勢で勉強するのが高得点での合格につながるのだろうと思います。
私は2週間の勉強期間で受験しましたが、そういった方法で勉強するのであれば、やはり3か月くらいは腰を据えて取り組むべきだと思いました。
【質問2】HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2の合格率は?
公式サイトによると、HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2の合格率は非公開です。
レベル2については、ネット上の記事でも不合格報告がそれなりにあるので、やっぱ難しいのだと思います。ただキチンと対策すれば難関資格というほどではないと思います。
公式のアナウンスの通り、半年から1年間勉強すれば十分です。私は2週間程度の期間で問題演習ばかり繰り返して受験してしまったので、ちょっと後悔しています・・・
【質問3】HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2は独学で合格できますか?
HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2は独学でも十分合格できます。
また、公式サイトが主催で「HTML5 レベル2試験 技術解説セミナー」が実施されています。現在はオンラインで実施されているので自宅で受講可能です。HTML5プロフェッショナル認定試験の公式サイトが定期的にPRしているのでチェックしましょう。
プロの講師が試験範囲のトピックを掘り下げて解説してくれるので、一度参加してみるのも良いでしょう。
【質問4】レベル2の前にレベル1試験を受験する必要はありますか?
前述したとおり、レベル1を受験しなくてもレベル2の試験は受験できます。しかしレベル2の有資格者として認定されるのは、レベル1の合格が必須となっています。
シンプルにJavaScriptの勉強をしたいだけならレベル2だけ受験すれば良いと思いますが、認定者になりたいのであれば、レベル1も受験して合格しておきましょう。
試験の感想
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2は個人的にはかなり難易度の高い試験でした。実際のところ、JavaScriptは実務でも使っている言語だったので、甘く見ていた部分もあります。
今回、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2を受験して、JavaScriptの知識がまだまだ身に付いていないことが分かりました。更に勉強を続けて実力を磨かなければならないと分かりました。合格よりも、そういった実感が持てたのが、試験を受けた最大のメリットだと思いました。