この記事ではこんな疑問に答えます。
いざこれからMOS資格を勉強しようと思っても「そんなの役に立たないよ」と言われると不安ですよね。
実際には、パソコン初心者が事務職などのデスクワークに転職を目指している場合には、非常に強い武器となる資格です。ハローワークや転職エージェントの求人票にも「MOS資格合格者は優遇します」と書かれていることもあります。MOS資格を評価する会社は間違いなく存在するのです。
それではなぜMOS資格は役に立たないと言われるのでしょうか。この記事ではMOS資格の概要とメリット、どのような人に役に立つのかなど詳しく解説します。
資格オタクのゴンゾウが執筆しています。人生で初めて取得した資格は2005年に合格した基本情報技術者。それ以来、継続的に資格の取得に励み、2023年現在では約50個の資格を保有しています。死ぬまでに1000個の資格取得を目指しており、資格取得に役立つ情報をブログで発信中です。
目次
MOS資格が役に立たないと言われる理由
MOS資格が役に立たないと言われる理由は次の4つです。
・難易度が低く簡単に取れるから
・受験料が高くコスパが悪いから
・試験勉強が実務に結びつかないから
・就職や転職に有利にならないことがあるから
一つずつ見ていきましょう。
難易度が低く簡単に取れるから
MOS資格は難易度が低く簡単に取れるから役に立たないと言われることがあります。
MOSで出題されるのは、WordやExcelなどのオフィスソフトの操作についてです。すでにこれらのソフトを使いこなしてる方にとって、MOS資格は物足りない資格と感じても仕方がありません。
MOS以外にもIT系の資格には難易度が高いものが数多くあり、それらの資格と比較してしまうと、簡単に取れるMOS資格は必要ないと思われるのも無理がありません。
受験料が高くコスパが悪いから
MOS資格は受験料が高くコスパが悪いことから役に立たないという人もいます。
MOS資格の受験料は次の通りです。
MOSの種類 | 受験料(税込) |
Word 2019(一般) | 10,780円(学割:8,580円) |
Word 2019 エキスパート(上級) | 12,980円(学割:10,780円) |
Excel 2019(一般) | 10,780円(学割:8,580円) |
Excel 2019 エキスパート(上級) | 12,980円(学割:10,780円) |
PowerPoint 2019(一般) | 10,780円(学割:8,580円) |
Access 2019 エキスパート(上級) | 12,980円(学割:10,780円) |
Outlook 2019(一般) | 10,780円(学割:8,580円) |
このようにどの種類のMOSでも受験料は1万円を超えています。
・国家資格のITパスポート:7,500円(税込)
・P検3級:5,200円(税込)
・日商PC検定3級:5,240円(税込)
などと比較すると、やはりMOS資格の受験料は高めです。
MOSは受験料が高いわりに難易度が低いことから、コスパの悪い資格と思われてしまうのも仕方がない気がします。
試験勉強が実務に結びつかないから
MOS資格の試験勉強で学んだ内容が実務に結びつかない、という批判もあります。特にエンジニアやWebデザイナーなど、高度なITのスキルが求められる会社では、MOS資格で学べる内容だけで仕事をすることはできません。
それならば、さらに高度な別の資格を取得したり、資格ではなく実務に直結するスキルを学んだ方が良いと考える方がいるも自然だと言えるでしょう。
就職や転職に有利にならないことがあるから
残念ながら、MOS資格が就職や転職に有利にならないこともあります。
たとえば、パソコンを使用しない会社での面接でMOS資格をアピールしても評価されるこは限りませんし、逆に高度なITスキルが求められる会社でMOS資格をアピールしてしまうと、逆にスキルが低いと思われるケースもあります。
もしMOS資格を書類選考や面接でアピールしたいのであれば、きちんと評価してくれそうな会社かどうかは検討した方がよいでしょう。
MOS資格はオフィスソフトを学べる資格
ここで改めてMOS資格で学べる内容を解説します。
MOSでは以下のソフトの操作スキルを学習できます。
・Word
・Excel
・PowerPoint
・Access
・Outlook
それぞれのオフィスソフトを実際に使って、適切に操作することで正解になります。
5つのオフィスソフトがありますが、WordとExcelには一般と上級(エキスパート)の2種類があります。
それでは各ソフトの試験範囲を見ていきましょう。
MOS Word(一般)
MOS Word(一般)の試験範囲は次の通りです。
・文書の管理
・文字、段落、セクションの挿入と書式設定
・表やリストの管理
・参考資料の作成と管理
・グラフィック要素の挿入と書式設定
・文書の共同作業の管理
MOS Word(一般)では日常業務には欠かせないWordの基本操作が出題されます。
MOS Word エキスパート(上級)
MOS Word エキスパート(上級)の試験範囲は次の通りです。
・文書のオプションと設定の管理
・高度な編集機能や書式設定機能の利用
・ユーザー設定のドキュメント要素の作成
・高度なWord機能の利用
MOS Word エキスパート(上級)はWord文書のテンプレートや文書パーツ、マクロなど応用的な論点が出題されます。テンプレートは仕事で使う機会は少ないかもしれませんが、知っているだけでも業務の効率をグッとアップさせるような機能です。
MOS Excel(一般)
MOS Excel(一般)の試験範囲は次の通りです。
・ワークシートやブックの管理
・セルやセル範囲のデータの管理
・テーブルとテーブルのデータの管理
・数式や関数を使用した演算の実行
・グラフの管理
MOS Excel(一般)では、Excelでよく使う関数やグラフが出題されます。基本的な操作ですが、使いこなせる人とそうでない人とでは、仕事の質に大きな差が生まれる論点です。
MOS Excel エキスパート(上級)
MOS Excel エキスパート(上級)の試験範囲は次の通りです。
・ブックのオプションと設定の管理
・データの管理、書式設定
・高度な機能を使用した数式およびマクロの作成
・高度な機能を使用したグラフやテーブルの管理
MOS Excel エキスパート(上級)では、一般レベルでは出題されないような関数、数式、グラフが出題されます。ピボットテーブルなど、高度なデータ分析に必要な機能も試験範囲に含まれており、簡単には合格できないような難易度です。
MOS PowerPoint
MOS PowerPointの試験範囲は次の通りです。
・プレゼンテーションの管理
・スライドの管理
・テキスト、図形、画像の挿入と書式設定
・表、グラフ、SmartArt、3Dモデル、メディアの挿入
・画面切り替えやアニメーションの適用
MOS PowerPointはプレゼンテーションのスライド作成に必要なスキルがまとめて出題されます。Word、Excelと比べて使用頻度が少ないソフトかもしれませんが、試験範囲の内容を知っているだけで、スライド作成が必要になったときにスムーズに操作できます。
Access エキスパート(上級)
Access エキスパート(上級)の試験範囲は次の通りです。
・データベースの管理
・デーブルの作成と変更
・クエリの作成と変更
・レイアウトビューを使ったフォームの変更
・レイアウトビューを使ったレポートの変更
データベース管理ソフトのAccessを使用している人は少ないでしょう。事務職というよりもエンジニア向きのソフトであり、MOS資格としてもエキスパートレベルしかありません。
MOS Outlook(一般)
MOS Outlook(一般)の試験範囲は次の通りです。
・Outlook環境の管理
・メッセージの管理
・スケジュールの管理
・連絡先とタスクの管理
Outlookはメールやカレンダーのソフトですが、そんなに操作が難しいソフトではありません。わざわざ取るような資格ではないでしょう。
MOS資格合格の3つのメリット
MOS資格合格で次の3つのメリットがあります。
WordやExcelのスキルが身につく
MOS資格合格でWordやExcelなどのオフィスソフトのスキルが身に付きます。
試験は実際のWordやExcelを操作して解答するため、試験勉強をしていると、自然にWordやExcelの操作スキルがマスターできるようになっています。
何度も何度も操作して、合格できるレベルまでなったら、普通のデスクワーク程度なら難なくこなせるレベルになっているでしょう。
履歴書でアピールできる
事務職など基本的なパソコンスキルが必要な会社であれば、MOS資格合格を履歴書でアピールできます。
「できて当たり前なんじゃない?」
と思われるレベルのスキルだったら、MOS資格合格で十分証明できるからです。WordやExcelを教える余裕がある会社は少なく、自分でなんとかしてほしいのが会社の本音でしょう。
そのため、履歴書にMOS資格合格って書いてあると、会社としても安心というわけです。
パソコン業務を効率化できる
MOS資格合格でパソコン業務の効率化もできます。
たとえば表を作る、グラフを作る、体裁を整えた文章を作る、のようなことをする時に、いちいちネットで調べながら作業していると時間がかかってしまいます。
しかしMOS資格合格で身に付けたスキルがあれば、簡単な資料だったらサクサクっと効率良く作業できます。
業務を効率化できれば、残業が減りますし、余った時間でさらに別の仕事を進めることもできるでしょう。
MOS資格が役に立つ人・役に立たない人
MOS資格が役に立つ人
MOS資格が役に立つのは次のような人です。
・事務職など比較的易しい仕事を目指している人
・パソコンの初心者の人
・資格欄を埋めたい人
MOS資格はIT系の資格の中でも難易度が低いため、事務のような簡単な仕事やパソコン初心者の人に向いています。
WordやExcelが使えるだけでも、就職先の会社の候補はグッと多くなります。
また履歴書の資格欄に運転免許しか書けないような人にもMOS資格はおすすめです。WordとExcelの一般レベルだけ書いておくだけでも、スキルに加えてスキルアップ意欲の高い人材だと評価されやすくなります。
MOS資格が役に立たない人
一方、MOS資格が全く役に立たない人もいます。たとえば、以下のような人です。
・エンジニアやプログラマーなど高度なITスキルが必要な人
・WordやExcelをほとんど使わない人
・軽作業やショップ店員などパソコンをあまり使わない人
エンジニアやプログラマーなど高度なITスキルが必要な人は、そういった高度なITスキルをアピールする方が得策であるため、わざわざ簡単なMOS資格を取得する必要はありません。
また、WordやExcelを使わない人も、MOS資格を取得する必要性は薄いでしょう。
また軽作業やショップ定員などパソコン自体をあまり操作することがない場合、WordやExcelもほとんど操作する機会はありません。そのような方にもMOS資格はあまり役に立ちません。
MOS資格でよくある質問と回答
MOS資格についてよくある質問と回答をまとめました。
MOS資格を履歴書に書いてもいい?
就職先や転職先でWordやExcelのスキルが必要とされている場合、履歴書にMOS資格を書いた方が良いでしょう。
また求人によっては「MOS資格の合格者を優遇します」と求人票にコメントが付けられているケースがあります。このようなケースでは、積極的にMOS資格を履歴書に書くべきです。
一方、あまりWordやExcelを使わなそうな会社や、IT企業など高度なITスキルが求められる会社の場合、MOS資格を書いてもいいのですが、あまり評価されない可能性があります。
MOS資格はどのような人が受験してる?
公式サイトによると、2023年9月13日時点で、MOSの累計受験者数は500万人を突破しています。
また年代別の割合は次の通りです。
※公式サイトより引用
一般・上級ともに幅広い年齢層の受験者がいます。
またMOS資格の称号の認定者は次の通り。
・MOS Associate 累計認定者数:13,710名
・MOS Expert 累計認定者数:2,712名
※公式サイトより引用(2022年12月31日時点)
MOS資格は独学で合格できる?
MOS資格は十分な勉強時間があれば独学でも合格できます。しかし学生とは違って多くの社会人にとって、資格の勉強に充てられる時間は少ないはずです。
もし、
「時間がないから効率的に勉強したい」
「テキストを読むのではなく動画教材で学習したい」
「わからないところは講師に質問したい」
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